七巻き半の百足を退治した三上山
どんな伝承か
三上山は一名を百足山といい、神の山とも呼ばれてきた。頂上には竜王さんが祀られており、旧暦六月十八日がその祭日である。村人はめいめい供え物を持って山に登り、参拝したうえで持ち寄ったものを分け合って帰る。これが毎年欠かさず続いてきた。百足山の名は、昔この山を七巻き半して勢多の唐橋まで首を出していた大百足に由来する。それを田原藤太秀郷が退治したのだという。そんな大きさはありえまいと語り手は笑いながらも、言い伝えでは七巻き半、八巻きにはわずかに足りないのだと語る。三上山には今も百足が多いという。
原典より
昔から三上山は、一名、百足山というて、神さんの山とも言いました。—— 日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第8巻』は、黄地百合子・酒向伸行・田中久夫が滋賀・京都・兵庫の三府県を分担して執筆し、福田晃がまとめた伝説集である。丹波の湖を神々が切り開いた国造りの話、神同士の争い、英雄や長者の盛衰、蛇と人の話、魚・鳥・石・塚・祠堂の由来などを、各地の口承や記載資料から集める。第一部「文化叙事伝説」と第二部「自然説明伝説」に分け、各話を例話・類話・文献・参考の順に並べ、高木敏雄・柳田国男の対応する話名を付す。