三上山の蜈蚣穴と竜王の祭
どんな伝承か
『近江輿地志略』の記す三上山。頂上に石仏の地蔵があり、里人はこれを竜王と呼ぶ。毎年五月十八日には竜王祭として、行合村から忌火の供物や神酒が供えられる。山の八分目あたりには底の見えないほど深い洞穴があり、これを蜈蚣穴という。昔この山を七巻半した大蜈蚣が首をこの穴に入れ、夜ごと湖上を渡って勢多橋の下の大蛇を苦しめた。大蛇に頼まれた藤太秀郷が橋の上で待ち構え、矢を放って射止めたので、この山を蜈蚣山とも呼ぶ。今も尺余りの蜈蚣が多いというが、著者が登って見ても寸ほどの蜈蚣さえ見当たらなかったと記す。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第8巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全133話(滋賀・京都・兵庫=近畿)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。