天霧山城の白米と尼斬山
どんな伝承か
長宗我部軍が讃岐に攻め入った折、天霧山の城を囲み、城へ入る水源を断って渇かせる攻め方をとった。城内は渇きに苦しんだが、それを悟らせまいと、敵から見える場所で軍馬を白米で洗い、米を谷へ水のように流してみせた。敵はこれを見て水攻めは無駄と考え、夜のうちに囲みを解こうとする。そこへ城から出てきた尼を捕らえ、あれは米か水かと脅して問うと、尼は水はもう無いと白状した。攻め手は勢いづいて一気に攻め、城は落ちた。尼は城に戻って罪を問われ斬られたため、この山は尼斬山と呼ばれ、のちに同じ音の雨霧山・天霧山と書くようになったという。
原典より
<高木―「呪われた寺」柳田―「白米城」>天霧山城の伝説は、長宗我部が讃岐へ攻め込んで来た時、今の天霧山にあった城を囲み水攻めにした。—— 日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第12巻』は、四国四県(香川・愛媛・徳島・高知)の伝説を話型ごとに集めた伝説集成の一巻である。神々の争いや大人の足跡、弘法大師の彫り残しや麦の種、英雄の誕生、長者、人柱、蛇聟、狼の報恩、化猫退治、首切れ馬、夜泣石、地蔵の霊験などを、町村誌や地方の伝説集、昭和五十三年度立命館大学説話文学研究会の採集調査稿から採る。百三十九話に通し番号を付け、各話に伝承地と出典、高木・柳田の分類名を添え、県別の〔類話〕と〔文献〕を続ける。