米を水に見せて囲みを破った阿寺城
どんな伝承か
天正二年、武田勝頼の部将である木曽義昌が阿寺城を取り囲み、水を引く樋を断ち切って城を干上がらせようとした。城方は櫓の上から米を滝のように流し落として見せ、あたかも水が余っているかのように装う。寄せ手は、城中には樋とは別に飲み水の備えがあるのかと迷い、攻めあぐねた。城兵はその隙をついて打って出、包囲を破ったと伝えられる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第7巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第7巻』は、愛知・静岡・岐阜・長野の四県の伝説を集めた伝説資料集の一巻である。笠寺観音や日本武尊から天狗・山姥・八百比丘尼・夜叉ヶ池、石や池や塚の由来、白米城・一夜山まで九十七の項目を立て、口承を中心とする伝承を収める。各項目は伝承地を明記した例話を冒頭に置き、『日本伝説名彙』などの対応する題名を添えたうえで、〔類話〕〔参考〕〔文献〕を続けて近世以前の記録の原文まで示す。