墓から歌を返した吉屋チルー
どんな伝承か
幼くして母を失った吉屋チルーは、父を支えて暮らしていたが、暮らし向きが行き詰まり、とうとう辻へ売られた。抱え主のジュリアンマーは父の面倒を見ると言いながら、チルーを責め苛むばかりだった。やがてチルーが世を去り、悔いたジュリアンマーが詫びに墓を訪ねると、墓の内から、一万貫で売られ二万貫で買われた身に、死んでから通って来て何になるのか、と責める歌声が返ってきたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(山下欣一・遠藤庄治・福田晃(編集執筆)・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第15巻』は、山下欣一・遠藤庄治・福田晃が奄美・沖縄本島・沖縄先島の編集執筆を分担し、福田晃が全体をまとめた伝説集である。島々の口承伝説を、市町村の民話集や大学の口承文芸研究会の採集稿、近世の文献から集め、天地や人類の始まり、島建ての神、キジムナー、蛇婿、津波、御嶽や墓の由来などを収める。第一部「文化叙事伝説」と第二部「自然説明伝説」に分け、各話を例話・類話・文献・参考の順に並べ、類話は地域別に配列する。