太陽を射た行者とさかさ川
どんな伝承か
入間川の天道山のあたりを流れる川はさかさ川と呼ばれる。むかし夏に太陽が二つ現れて日照りに苦しんだ村人が行者に祈禱を頼んだが効かず、ついに行者が矢で一方の太陽を射ると、三本足の白い鳥が黒雲とともに丘へ落ちてきた。天がひっくり返ったように思えたのでその丘を天倒山(天道山)といい、鳥の血が流れてできた川なのでしるたれ川とも呼ぶ。ほかの川と逆向きに流れるためさかさ川の名がある。水は白く濁っており、乳の出ない者が橋の上に豆腐を供えて祈ると験があったという。
原典より
狭山市入間川天道山のあたりを流れる川は、さかさ川と呼ばれる。—— 武蔵の伝説(大島建彦/渡辺千佳子・日本の伝説・1976年(昭和51年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
武蔵の伝説(大島建彦/渡辺千佳子・日本の伝説・1976年(昭和51年))
『武蔵の伝説』は、大島建彦と渡辺千佳子が昭和五十一年に著した伝説集である。埼玉県・東京都と神奈川県の一部にあたる旧武蔵国の伝説を、地誌・紀行・社寺縁起・区市史や『埼玉県伝説集成』などの文献と土地の口碑から集め、項目ごとに出典を添える。『日本伝説名彙』の六部門に家・村と祭礼・行事を加えた八部に分け、巻頭の「はじめに」で伝説の分類の方法を論じている。