おもろ草紙のツシャの珠
どんな伝承か
おもろ草紙には、頸飾りを意味するツシャという語が四五ヶ所以上に現れる。大和や社の旅へ「てうツシャ」を買いに登るという歌、久米島にツシャこがねを産して国王へ献上せよと歌う歌、旅立ちに「ツシャの玉やれば首からもさわらん」と歌う歌などがある。ツシャは頸飾りのことで、珠を貫いて作るというより、その貫くものをタマと呼んだ。第十一巻は久米島伝来のものを集めたといい、ツシャという古語が久米島に関わって伝えられていたことを示す。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第1巻』は、柳田国男の著作を集めた著作集の一巻である。椰子の実の漂着から日本人の渡来と稲作を海の道に求める論考と、海神宮考・みろくの船・根の國の話・寶貝のこと・稻の産屋などの諸篇、大正期の南島旅行に基づく『海南小記』、昭和二十六年八月の自序をもつ『島の人生』を収める。いずれも海と島を舞台に、ニライカナイや宝貝、漂着や島の復興をめぐる民俗と歴史を論じている。