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手取川の白山ヤシホ怪物譚

所在地石川県白山市
年代近世
登場土地の人々
出典定本柳田国男集 第1巻

どんな伝承か

加賀の手取川は日本海に注ぐ名高い流れで、水筋がまっすぐで速いため、元は出水しても岸を越えて村を荒らすことはまれだった。ところがある年、思いがけない高水がいつまでも引かず田畑を浸すので調べると、川の中ほどに黒く丸い大岩のようなものが横たわって流れをせき止めていた。評定がまとまらずにいると、今度は川上から牛に似てさらに大きな怪物が流れ下ってきて、その黒いものに取りつき、皮を食い破って強く吸った。すると真っ白などろどろしたものが大量に出て、吸われるほどに黒いものは小さくなり、水も引いた。これは白山の奥に産するヤシホという木の実だったと『三州奇談』は伝える。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)

『定本柳田国男集 第1巻』は、柳田国男の著作を集めた著作集の一巻である。椰子の実の漂着から日本人の渡来と稲作を海の道に求める論考と、海神宮考・みろくの船・根の國の話・寶貝のこと・稻の産屋などの諸篇、大正期の南島旅行に基づく『海南小記』、昭和二十六年八月の自序をもつ『島の人生』を収める。いずれも海と島を舞台に、ニライカナイや宝貝、漂着や島の復興をめぐる民俗と歴史を論じている。

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