都井岬の御崎馬と野猪保存
どんな伝承か
柳田は都井の宮浦に上陸し、牧の野馬を見に岬の突端まで歩いた。ここは高鍋藩が経営した古い牧場で、いわゆる福島馬のふるさとである。岬の御崎社の境内には野生の蘇鉄があり、この山の猪を捕ってはならないという制札によって、天然記念物の野猪も守られている。ところが人の手で作られた福島馬だけはひどい扱いを受けていて、雄は二歳にならないうちに牧を追われ、試情馬などの哀れな暮らしを送り、その代わりに外国産の種馬が大事にされていると柳田は嘆いている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第1巻』は、柳田国男の著作を集めた著作集の一巻である。椰子の実の漂着から日本人の渡来と稲作を海の道に求める論考と、海神宮考・みろくの船・根の國の話・寶貝のこと・稻の産屋などの諸篇、大正期の南島旅行に基づく『海南小記』、昭和二十六年八月の自序をもつ『島の人生』を収める。いずれも海と島を舞台に、ニライカナイや宝貝、漂着や島の復興をめぐる民俗と歴史を論じている。