七七忌の写真に写った帯状の光
どんな伝承か
夫は勤務先の大学の研究室で倒れ、入院した直後に容体が急変して、昭和五十七年十月十九日未明に脳出血で世を去った。七七忌の法要のあと、参会者に食事を出した席で、写真家を志す次男がかなりの数の写真を撮った。焼き上がった中に二、三枚、奇妙なものが写り込んでいる。赤みを帯びた白い帯のような煙にも見え、雷がうねりながら宙を走るようにも見えた。次男は超常現象というやつだと言う。場所が寺の本堂の地下室で、まだ木の香も新しい広間だったので、夫と結びつけては考えなかった。ところが二週間後、勤務先での追悼会でも次男は多く撮り、そこにまた同じものが現れたのだった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考(立風書房)第十二巻・1996年(平成8年))
『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』は、松谷みよ子が一九九六年にまとめた現代民話の資料集で、同シリーズの第十二巻にあたる。雑誌での呼びかけやアンケート、聞き書きで寄せられた話と新聞・雑誌の記事を、心霊写真をめぐる怪異と、明治以降の電信・汽車・電気燈などの新しい文物や流行病に戸惑う人々の話に分けて収める。話例ごとに本文を掲げて各地の類話を分布として並べ、話者や回答者の名と出典を添える。