屋上の記念写真に透けた白い猫
どんな伝承か
東京都港区三田の話。話者は昭和十年頃、自宅の屋根の上を飛び歩いて鬼ごっこやかくれんぼをして遊んでいた。このあたりはかつて有馬の猫騒動で知られる有馬家の長屋があった場所で、話者のあだ名も「山猫」だった。父が初めて買ったカメラで屋上に姉と並んで記念写真を撮ったところ、座っていた自分のお腹のあたりに白く猫の姿が透けて写っていた。その写真は今も残っており、原因は今もって分からないという。近くの学校には猫塚があるとも伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考(立風書房)第十二巻・1996年(平成8年))
『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』は、松谷みよ子が一九九六年にまとめた現代民話の資料集で、同シリーズの第十二巻にあたる。雑誌での呼びかけやアンケート、聞き書きで寄せられた話と新聞・雑誌の記事を、心霊写真をめぐる怪異と、明治以降の電信・汽車・電気燈などの新しい文物や流行病に戸惑う人々の話に分けて収める。話例ごとに本文を掲げて各地の類話を分布として並べ、話者や回答者の名と出典を添える。