岩という岩に顔が写った寺の庭
どんな伝承か
山形県米沢市での話。一九九〇年の夏、小平民話の会の三人で米沢を訪ね、その年の旅のテーマとして『童子百物語』の怖い話の舞台になった場所を巡った。多くの寺を回り、どこも楽しかったが、チンゾウ院という寺の庭に入った時、語り手は全身に鳥肌が立った。連れの一人に告げると、その人も同じだったという。それでもそこで写真を撮り、帰って現像してみると、岩の多い寺であったが、岩という岩に顔がいくつも写っていた。その写真は今もあるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考(立風書房)第十二巻・1996年(平成8年))
『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』は、松谷みよ子が一九九六年にまとめた現代民話の資料集で、同シリーズの第十二巻にあたる。雑誌での呼びかけやアンケート、聞き書きで寄せられた話と新聞・雑誌の記事を、心霊写真をめぐる怪異と、明治以降の電信・汽車・電気燈などの新しい文物や流行病に戸惑う人々の話に分けて収める。話例ごとに本文を掲げて各地の類話を分布として並べ、話者や回答者の名と出典を添える。