竜となって木崎湖の主になった大杉
どんな伝承か
昔、古宮にいと杉・うば杉という二本の杉の大木があった。ある年、松本の殿様が諏訪の大太鼓の材にするといって譲り受けたが、あまりに太く、途中まで切ると日が暮れた。翌日行くと切り口がふさがって元通りになっており、それが毎日続いたため、大勢の人夫を集めて一日で切り倒した。そのとき切り口から血が流れたという。倒れた幹は沢を越えて向こう岸まで届き、以来その沢は橋のとこの沢と呼ばれる。諏訪へ運ぶ途中、木崎湖のほとりで木はたちまち竜に化して湖に入り、湖の主になったと伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
長野県史 民俗編 第3巻 3 (中信地方 ことばと伝承)(長野県史)
『長野県史 民俗編 第3巻(三) 中信地方 ことばと伝承』は、長野県史の民俗編のうち中信地方の巻から、伝説の章を抜き出したものである。木・石・水・塚・坂と道・城と屋敷・田と原・地蔵や観音・社寺・地名・禁忌などに分けて、松本・塩尻・安曇野・大町・北安曇・木曽に伝わる言い伝えを短い条で並べる。抜き出しの際に多くの条から採集地の表示が落ちており、土地の名が本文に書かれない条も少なくない。