猫が法会を開いた猫屋敷
どんな伝承か
北原にある猫屋敷にまつわる話。昔、宝全寺の和尚は、衝立に掛けておいた法衣の裾がいつも湿っているのを不思議に思い、寝ずに見張った。すると皆が寝静まったころ、寺の飼い猫が法衣を着込んで寺の北西の広場へ出ていった。広場では僧の姿に化けた大勢の猫がそれを出迎えて拝み、読経して法会を開き、夜明けに散っていった。猫は寺に戻ると法衣を元の衝立に掛けた。翌朝、和尚が炉端の猫に昨夜はうまく化けたなと声をかけると、猫はひと声鳴いて姿を消し、二度と戻らなかったという。その法会の跡が今の猫屋敷である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
長野県史 民俗編 第4巻 3 (北信地方 ことばと伝承)(長野県史)
『長野県史 民俗編 第4巻(三)北信地方 ことばと伝承』は、長野県史の民俗編のうち北信地方の伝説の章を抜き出したものである。植物・石・水・塚・坂と峠・山・沢と道・城と屋敷・田と原・地蔵や観音・社寺・地名・禁忌の順に、条ごとに採集地を添えて短い伝えを並べる。戸隠の鬼女紅葉、黒姫と大沼池の大蛇、久米路橋の人柱、秋山郷の平家伝説など、善光寺平から奥信濃にかけての土地に結びついた話が多い。