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鉄舟の家の屋根で火を防いだ天狗

所在地東京都新宿区
年代明治
登場山岡鉄舟、体験者、伝承者、屋根の防火人を見た家の主(原典表記は鉄州)
出典幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵

どんな伝承か

明治維新の神仏分離で大権現の称号を奪われた遠州の半僧坊は、そのすきに豊川稲荷の天狗に境内の大杉を倒された。住持は上京して教部省に訴え、山岡鉄舟の取りなしで称号の復活が許されると、半僧坊の天狗はすぐ豊川の大杉をはね返して仕返しをした。その後まもなく、東京四谷荒木町で昼間に大火があった。宮中にいた鉄舟は、天皇から家の方角が焼けるから急いで帰れと言われ、戻ると屋根の上に火を防ぐ人々がひしめいていた。酒を出せと命じたが、家人は火消しはとうに逃げたと言う。庭に出ると屋根には誰もおらず、やがて風向きが変わって鉄舟の家だけが焼け残った。それは半僧坊の神使が連れてきた天狗だったと伝わる。

原典より

家人は不審な面をして、火を防ぎに来た人も、追々逃げて先刻から一人も残ったものは無い筈だと言つたので、…—— 幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談)

『幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵』は、岡田蒼溟による霊怪の事例集である。祟る石、出雲の瀧姫行者、神西湖の妖怪、但馬の抜け首、黄金の精、海の牛鬼、天狗などの怪異を、著者自身の見聞や知人の談話、古い文書からの移載によって集め、明治・大正期の出雲や松江周辺の事例を多く含む。項目によっては【解題】や註を添え、事例の後に「第二編」と附録の「天狗考」を続け、巻末の「解説の欄」で生霊・疫神・物体の飛来などを心霊研究の立場から論じる。

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