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怒鳴りつけて消えた秋葉の天狗火

所在地静岡県浜松市天竜区(秋葉山)
年代不明
登場荒木田末寿、体験者、伝承者、伊勢内宮の神職・体験者
出典幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵

どんな伝承か

文化七年の夏、伊勢内宮の神職荒木田末寿が、神宮の用向きで近江へ向かう途中、夜のうちに秋葉山の山道を通ったことがあった。そのとき、山の峰づたいに天狗の手火が数え切れぬほど掲げられていた。遠くにあると見えた火がにわかに目の前へ迫って一行を驚かせ、山鳴りがして大木をなぎ倒すような凄まじい音を立てるので、従者は怖がって先へ進もうとしない。そこで末寿は挟箱に腰を下ろし、自分は伊勢神宮の家人であって神用でここを通るのだ、それを知らぬのかと大声で怒鳴りつけた。すると数多の手火はぱたりと消え、山鳴りもたちまち鎮まったという。

原典より

文化七年の夏、伊勢内宮の神職の荒木田末寿が、神宮用にて僕二人を連れて近江へ行くとき、夜間に秋葉山の山道を通行したことがあつた。—— 幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談)

『幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵』は、岡田蒼溟による霊怪の事例集である。祟る石、出雲の瀧姫行者、神西湖の妖怪、但馬の抜け首、黄金の精、海の牛鬼、天狗などの怪異を、著者自身の見聞や知人の談話、古い文書からの移載によって集め、明治・大正期の出雲や松江周辺の事例を多く含む。項目によっては【解題】や註を添え、事例の後に「第二編」と附録の「天狗考」を続け、巻末の「解説の欄」で生霊・疫神・物体の飛来などを心霊研究の立場から論じる。

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