心靈の高野詣
どんな伝承か
明治三十五年、神奈川県神奈川町の料理屋「台湾亭」の女将・伊藤チカが、叔母で高野講に属する病人の介護をしていた。その病人は横浜野毛町に住む講中の女性で、五月二日の第五回の高野山登山に参加できないため、チカに代わりに参詣することを依頼した。
原典より
明治三十五年、神奈川縣神奈川町の料理屋臺灣亭の女將伊藤チカと云ふが、其叔母に當たる病人を引受けて介抱して居たが、その病人は横濱野毛町で、高野講中の女で、その年の五月二日に第五回の登山があるので、チカに代參をさせ、持參する…—— 幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談)
『幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵』は、岡田蒼溟による霊怪の事例集である。祟る石、出雲の瀧姫行者、神西湖の妖怪、但馬の抜け首、黄金の精、海の牛鬼、天狗などの怪異を、著者自身の見聞や知人の談話、古い文書からの移載によって集め、明治・大正期の出雲や松江周辺の事例を多く含む。項目によっては【解題】や註を添え、事例の後に「第二編」と附録の「天狗考」を続け、巻末の「解説の欄」で生霊・疫神・物体の飛来などを心霊研究の立場から論じる。