芳原の老人の人魂
どんな伝承か
孫がまだ小さかったころ、祖父が目を離した隙に、孫が樟脳を飴と間違えて飲んでしまい、両親が驚いて医療センターへ連れて行った。その留守中、昼の三時前ごろ、家の松の木の根方で近所の娘さんと腰かけて話していると、ドカーンとすごい音がした。何か落ちたのかと見に行っても何もない。子供に何かあったのかと心配したが、孫は無事に戻ってきた。では誰だろうと考え、所沢と上安松の接するところにある芳原の親類の祖父ではないかと思い当たると、まもなくその人が亡くなった。あのとき来たのは芳原のおじさんの魂、人魂だったと言い合ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
所沢市史 民俗編(所沢市史)
『所沢市史 民俗編』は、所沢市の市史の民俗編から、第一二章「口頭伝承」の一部を収めたものである。ヘビや天狗・カッパ・雷獣の話に続けて、世間話の「不思議な話」としてカラス鳴き・人魂・死の予兆・夢・木の祟り・生き霊・幽霊騒ぎ・タクシーの幽霊などを、市内の話者からの聞き書きで記す。話ごとに題を立てて同じ題の話を番号で並べ、話者の性別などを添え、ホラ吹きやオトウカドンの話も続ける。