橋を渡せと叫ぶ一文橋の人魂
どんな伝承か
日本で最初の有料橋と伝わる「一文橋」は、土地の言い伝えから鎌倉末期か室町時代の頃にできたとみられる。橋の下の小畑川はひと雨で橋を押し流すほどの暴れ川だったが、橋は山崎と京都を結ぶ西国街道に架かる大事な橋で、架け替えのたびに費用を負う地元の苦労は大きかった。そこで考え出されたのが通行料を取ることだった。橋の両側に番屋が置かれ、刀や槍を持った番人が旅人から一文ずつ取り立てたが、払わない者はその場で容赦なく斬り捨てられ、亡骸は近くの空き地に無縁仏として葬られた。そのせいか、夜になると「橋を渡してくれ」と叫びながら、人魂が橋の辺りを飛んだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊大全(中岡俊哉・2000年(平成12年))
『心霊大全――20世紀の超自然現象世界』は、中岡俊哉が二〇〇〇年(平成十二年)に著し、ミリオン出版から刊行した超常現象の総覧である。日本各地と世界各国の怪奇現象・伝説・心霊の地を県別・国別に紹介し、心霊写真・自動書記・憑依などの心霊現象、臨死体験と輪廻転生、透視・念力などの超能力、手かざしの治療を解説する。全六章から成り、巻末に著者インタビュー、著書・ビデオ作品一覧、あとがき、著者略歴を付す。