鷹匠を打ちのめした豪傑野島某
どんな伝承か
昔、水富のあたりへ殿さまが鷹狩りに来た。獲物を捜して田畑の中を平気で荒らしまわるので村人は困り果てたが、相手が殿さまであるから手が出せなかった。これを苦々しく思っていた野島某は、七尺あまりの大男で、その名の知れた豪傑であった。野島は鷹匠が藪の中へ入ったところを襲い、打ちのめしてしまった。殿さまは大いに怒って名主を呼びつけ、その男を差し出せと迫ったが、名主はすぐに村人を集め、みんなのためによいことをしてくれた男を差し出すわけにはいかないと言って野島を守った。そのため殿さまもあきらめて引き上げていったという。
原典より
昔、水富あたりへ鷹狩りに殿さまが来た。—— 狭山市史 民俗編(狭山市(狭山市史編さん室/民俗調査担当)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
狭山市史 民俗編(狭山市(狭山市史編さん室/民俗調査担当))
『狭山市史 民俗編』は、狭山市の市史のうち民俗を扱う巻で、ここにはその「五 伝説・昔話・世間話」の部分が収められている。堀兼・入間・奥富・柏原・水富・入間川の各地区で古老の座談会と個別の聞き取りによって集めた話を、話者の地区・名・生年を添えて載せ、不老川や堀兼の井、影隠地蔵、キツネ、豪商綿貫家の話などを含む。伝説は水・動物・植物・地名・人物・塚・神仏・地蔵・妖怪変化など十項に分け、話ごとに[解説]を付す。