秋葉札を祭らぬ駿河町に降った石
どんな伝承か
名古屋の御札降りと「ええじゃないか」を記した「感興漫筆」には、秋葉札にからんだ奇異がいくつか載る。駿河町では秋葉札が降ったのに棚に上げたままで早く祭をしなかったところ、九月十日のころ、石が降ってきて屋根瓦を砕き、傷を負った者もいたという。人々は、御札の祭をしなかったがゆえに災いが起きた、これは神の怒りだと捉えており、名古屋には「火にたたる」「火でけがれる」という観念もあったようである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
ええじゃないか始まる(田村貞雄・1986年(昭和61年))
『ええじゃないか始まる』は、田村貞雄が一九八六年に著した幕末の民衆運動「ええじゃないか」の研究書である。慶応三年に三河から遠江・駿河へ広がった御札降りの発端を、牟呂村の「二夜三日正月」、御鍬百年祭、吉田宿の助郷騒動、秋葉信仰との関わりから、村方の文書や日記、市町村史の史料をもとに追う。はしがきに続く八章で発端から波及、仕掛人をめぐる諸説、祭の後の「代替わり」までを論じ、主な史料はその原文を別組で示す。