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地名を語れぬ妻と箕作りの村

所在地岩手県二戸郡一戸町
年代昭和
登場筒井功、松島真佐子、村田政吉、民俗研究者、語り手、夫
出典村の奇譚 ― 里の遺風

どんな伝承か

松島真佐子は、夫の村田政吉と暮らした十年余りのあいだに三、四回、夫の実家を訪ねている。だが文字が読めなかったため、降りた駅の名も、乗ったバスの車体の文字も、実家のあるバス停の記載も理解できず、村の名を人に告げることができなかった。筆者が政吉の生家を突き止められたのは、その村が箕作りという特異な生業で暮らしを支えてきたからである。そこは岩手県の北端に近い二戸郡一戸町の人里離れた山村で、仮に「奥石」と呼ばれる。四つの小集落に六〇戸ばかりがあり、「お父さんの村では箕を作ってる人がたくさんいました」と真佐子は語った。

原典より

贋金つくりの集団がいた「江戸川の社長さん」の出自第4章 天幕部落の女親分大親分一家のその後生まれた場所にはテント部落があった女傑「おシマおっかあ」女親分の夫のこと—— 村の奇譚 ― 里の遺風(筒井功・民俗・地誌・2018年(平成30年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

村の奇譚 ― 里の遺風(筒井功・民俗・地誌・2018年(平成30年))

『村の奇譚 ― 里の遺風』は、民俗研究者の筒井功が平成三十年に著した民俗探訪記である。修験の里の石室、石風呂と焼き石湯、山中の贋金づくり、箕作りの集団や天幕部落、岩窟に暮らした非定住民、猿と猟師、氷室と風穴、産屋、墓制、安倍晴明の墓、狐憑きと犬神など、各地の村に残る習俗と伝承を、聞き取りと文献の両面からたどる。全十三章で、昭和三十年前後の高知市での見聞から説き起こし、「おわりに」では別の出版社で刊行が見送られた経緯を記す。

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