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藩主へ氷を献じた手箱山の雪屋

所在地高知県吾川郡いの町寺川(手箱山)
年代大正
登場春木繁則、山内忠義、岡本健児、民俗研究者、土佐藩の山廻役・『寺川郷談』の著者、土佐藩二代藩主、発掘調査を行った考古学者
出典村の奇譚 ― 里の遺風

どんな伝承か

高知県いの町寺川の手箱山(一八〇六メートル)には、雪屋と呼ぶ氷室の跡がある。寛延四年から翌年にかけて寺川村に駐在した山廻役、春木繁則の『寺川郷談』は、手箱山が御留山であり、山中の雪屋から毎年六月朔日に雪を取って壺に納め、夜送の早飛脚で高知城下へ献じたと記す。春木によれば使われていたのは土佐藩二代藩主山内忠義の代までで、彼の駐在時には跡が残るだけであった。昭和四十七年に考古学者の岡本健児が発掘調査を行い、山頂北東斜面の標高一四四〇メートル付近を氷室跡と推定した。

原典より

周辺より著しく寒い土地がある天然クーラーの方は庶民が利用した世界遺産になった荒船風穴第10章 戦後も産屋に籠もる女性がいた産屋とは何か産婦の死と「ウブメ」安産祈願と犬卒塔婆—— 村の奇譚 ― 里の遺風(筒井功・民俗・地誌・2018年(平成30年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

村の奇譚 ― 里の遺風(筒井功・民俗・地誌・2018年(平成30年))

『村の奇譚 ― 里の遺風』は、民俗研究者の筒井功が平成三十年に著した民俗探訪記である。修験の里の石室、石風呂と焼き石湯、山中の贋金づくり、箕作りの集団や天幕部落、岩窟に暮らした非定住民、猿と猟師、氷室と風穴、産屋、墓制、安倍晴明の墓、狐憑きと犬神など、各地の村に残る習俗と伝承を、聞き取りと文献の両面からたどる。全十三章で、昭和三十年前後の高知市での見聞から説き起こし、「おわりに」では別の出版社で刊行が見送られた経緯を記す。

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