一夜の宿も貸すなと定めた真鍋島の禁令
どんな伝承か
近世に入っても、術を使う者の種類も術法の数も中世とさして変わらなかったが、地方の史料になると呼び名に土地の色が出てくる。備中国小田郡の真鍋島には、元文五年の禁令が残っている。追放された百姓は親類であっても家に入れてはならず、出家・社人・山伏・行人をはじめ、村に属さず諸国を渡り歩く者には一夜の宿も貸すな、という内容である。名指しされた九種の顔ぶれは、当時の島の人々が誰を怪しい者と見ていたかを、そのまま映し出している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
講座日本風俗史別巻 妖異風俗((講座日本風俗史 別巻)・日本風俗史・民俗)
『講座日本風俗史別巻 妖異風俗』は、『講座日本風俗史』の別巻として、複数の執筆者が妖しく異様な風俗を論じた巻である。淫祠と性の祭礼、戦後の新興宗教、性にまつわる迷信、妖術・忍術・奇術、憑きものと特殊家系、心霊術と催眠術、異類との婚姻、性と怪異の関わりを、古典の随筆や各地の報告、事件の記録から取り上げる。九つの章に分け、終章「日本妖異風土記」では関東から九州・沖縄までの怪異譚を地方別・県別に掲げる。