初島の浜の十軒に降った札
どんな伝承か
慶応三年十二月二十五日、紀伊国の初島町(現在の有田市)では、浜にある十軒あまりの家々に札が降った。和歌山城下から田辺、日高郡へと広がった降札騒ぎが、有田郡の海辺の町にも及んだ例である。その十日前には日高郡の由良横浜村でも浜田屋に札が降って村中が集まり踊っていた。有田郡ではこのほか、山あいの安諦村でも年明けに降札と踊りの騒ぎが起きている。
原典より
日高郡では、十二月十五日に由良横浜村の浜田屋への札降りに村中が寄って踊っており、二十五日には初島町(現在有田市)の浜の十軒あまりに降札があった。—— ええじゃないか(高木俊輔) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
ええじゃないか(高木俊輔)
『ええじゃないか』は、幕末維新期の民衆運動を研究してきた高木俊輔が、慶応三年から翌年にかけて広がった「お札降り」と「ええじゃないか」の乱舞を各地の史料からたどった歴史書である。三河吉田での初出から東海道、甲斐、江戸、信濃、伊勢、京都、大坂、中国、淡路、四国まで、日記や記録に残る降札と踊りを国ごとに述べる。概観と東国・西国の四章に続く終章で降札の作為者やおかげ参り、世直しとの関わりを論じ、参考文献を付す。