凶悪犯逮捕を願う目なしダルマ
どんな伝承か
必勝ダルマと呼ばれる目なしダルマは、選挙の前や試合の前に飾られ、願いがかなうと目を入れる。昭和三十五年、三人殺しの犯人捜査に苦労していた福島県須賀川警察署には、二人の市民から「一日も早く凶悪犯人を捕えて、この目なしダルマに目を入れてください」とダルマが贈られた。同じころ群馬県高崎署では全署員が一筆ずつ目なしダルマに黒目を入れて安置し、秋田県本荘市の消防団は出初式の後に大ダルマを公会堂に飾った。縁起物のダルマが次第に呪物化していく例として記されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・今野圓輔・民俗学・昭和(高度成長期))
民俗学者・今野圓輔が高度成長期の日本に残る迷信を社会派ルポとして告発・分析した一冊。序章では、静岡県掛川市で異性双生児を畜生腹と恥じた母親の母子心中事件、青森県三本木市でキツネ落としと称して女を火あぶりにした殺人事件など、迷信が現代も殺人・心中を生む『黒い習俗』を突きつける。