願いがかなえば右目を入れる目なしダルマ
どんな伝承か
関東でダルマといえば、群馬県高崎市鼻高町の少林山達磨寺が代表格である。正月六日から七日にかけて七草まつりと称するダルマ市が開かれ、臨時列車や貸切りバスが繰り出すほどの賑わいで、昭和三十五年には五十万人の人出があったという。高崎ダルマは本来両眼とも白目で瞳が入っておらず、買い求めた人が願をこめて左の瞳を入れ、願いがかなえば右の瞳も入れる習わしがある。近年は、願いをかなえなければもう一方の目を入れないという祈願と脅迫を兼ねたこの目なしダルマの注文が各地で増えており、福島県白河のダルマ市や秋田市川反のダルマ市などでも同様の傾向がみられるという。
原典より
これを買って帰り、願いをこめて左の瞳を入れておき、その願いがかなったときに右の瞳も入れる。—— 現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年))
『現代の迷信』は、今野圓輔が昭和三十六年に著した、現代の俗信を一般の読者に向けて説いた読み物である。昭和三十年代の新聞・雑誌の報道や聞き書きを主な材料に、縁起かつぎ、前兆・占い・禁忌・まじない・願掛け、憑きもの落としの殺人や新興宗教の騒ぎまでを全国から拾い集めている。「現状」「過誤と真実」「その背景」「迷信論」の四部から成り、巻末に読者の問いに答える迷信身の上相談を付ける。