塩崎村金山神社の子授けダンゴ祭
どんな伝承か
山梨県北巨摩郡塩崎村の金山神社では、毎年一月二十八日に氏子十五軒がお日待祭としてダンゴを作る奇祭が行われてきた。由来ははっきりしないが、武田信玄に仕えた刀鍛冶の小林某がこの地に住みつき、金山彦之命を屋敷神として祀ったのが神社の始まりで、近くにあった男女の姿に似た自然石を奉納して一族の繁栄を願ったことからダンゴ作りが始まったという。各家から米八合を集めて粉にし、男女の形に仕立てて蒸し、小豆粉をまぶして一軒一組を奉納する。祈りの後に夫婦で分け、夫が女形、妻が男形を食べると子を授かるとされた。いまは労をねぎらう集まりに変わったが、子授けを願ってダンゴを分けてもらいに来る人は毎年数十人いるという。
原典より
お祈りしてからこれを下げて、夫婦で分けあって食べるのだが、夫は女の形の物を、妻は男の形の方を食べると、子どもが授かり子孫が繁栄するといわれていた。—— 現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年))
『現代の迷信』は、今野圓輔が昭和三十六年に著した、現代の俗信を一般の読者に向けて説いた読み物である。昭和三十年代の新聞・雑誌の報道や聞き書きを主な材料に、縁起かつぎ、前兆・占い・禁忌・まじない・願掛け、憑きもの落としの殺人や新興宗教の騒ぎまでを全国から拾い集めている。「現状」「過誤と真実」「その背景」「迷信論」の四部から成り、巻末に読者の問いに答える迷信身の上相談を付ける。