笊淵から貰われた福神童ウントク
どんな伝承か
紫波郡では福神童をヨケナイと呼び、和賀郡の一部から江刺郡にかけてはウントクまたはウントコ童と呼ぶ。いずれも百姓手伝いの童神で、顔がひどく醜く、今のひょっとこ面のようであったという。ウントコワラシの話では、爺が山で柴を刈っていると傍らの淵の水が面白くくるくる回るので、柴を一束入れてみた。柴は回りながら水中へ沈んでゆく。面白がって三月ほど刈りためた柴をみなその淵へ入れてしまうと、淵の中から美しい女が出て来て柴の礼を述べ、ぜひ我が家へ来てくれという。爺が水の中などへは入れぬと言うと、女は自分におぶさって目を瞑っていればよいと答えた。紫波郡ではこの童を南昌山の麓の笊淵から貰って来たと語る。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))
『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。