火事や変り事の予兆
どんな伝承か
佐久町各地区には、火事や変事の前ぶれとされた言い伝えがあった。大日向では初午の早い年は火事が起こりやすいとし、燈明が途中で消えたり鳥が騒がしく鳴くと病人・死人が出るという。曽原では家にいたねずみが急に居なくなると火事か地震の異変があり、山の雉や小鳥が急に鳴き騒ぐと地震や地滑りがあるとした。上区では火事になる前にその家の柱が暖かくなるといい、平林ではいろりの灰を申の日にとると火事になるとした。花岡では烏の鳴き方が悪いと人が死に、男が死ぬと寺の玄関に、女が死ぬとお勝手に知らせがあるという。四ツ谷では池の魚がとび上ると火事や変りごとがあるとした。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐久町誌 民俗編――俗信(佐久町(編)・佐久町誌)
『佐久町誌 民俗編――俗信』は、十石峠から横岳に及ぶ佐久町の町誌のうち、町内の俗信を扱った民俗編の一部である。大日向・余地・高野町・上区・花岡など各地区で採集した天候や作柄、火事や死の予兆、夢と縁起、易者や戸隠神社の御籤による占い、厄病よけや雷よけのまじない、死や産にかかわる忌み、ものもらいの民間療法などを記す。予知(予兆)・占いと呪い・物忌み・民間療法の節に分け、項目ごとに地区の言い伝えを地区名とともに並べる。