死・血・産の忌み(禁忌)
どんな伝承か
死・血・産にかかわる忌み。家に死者が出るとまず白紙で神棚を覆い、亡骸を北枕に寝せて夜具の上に短刀・鎌・庖丁などの刃物をのせた。猫には魔性があり死体に乗ると異変が起こるとして忌み、刃物がそれを防ぐと考えられた。納棺では帷子を左前に着せ紐を縦結びにし、身体を拭う湯は水に熱い湯を注いで適温にする。この作法を日常に再現することは今も嫌われ、骨あげで箸から箸へ骨を渡すことも厳しい禁忌である。葬式は回答のあった全地区で友引を避け、埋葬から帰ると臼に塩をまいて杵で搗くカラウスをした。服喪は親の場合、高野町が一年、畑中が十ヶ月、他の多くが百日で、喪中は宮参りも祭りへの参加もしなかった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐久町誌 民俗編――俗信(佐久町(編)・佐久町誌)
『佐久町誌 民俗編――俗信』は、十石峠から横岳に及ぶ佐久町の町誌のうち、町内の俗信を扱った民俗編の一部である。大日向・余地・高野町・上区・花岡など各地区で採集した天候や作柄、火事や死の予兆、夢と縁起、易者や戸隠神社の御籤による占い、厄病よけや雷よけのまじない、死や産にかかわる忌み、ものもらいの民間療法などを記す。予知(予兆)・占いと呪い・物忌み・民間療法の節に分け、項目ごとに地区の言い伝えを地区名とともに並べる。