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慧雲上人がひとりで架けた念仏橋

所在地埼玉県八潮市大字二丁目若柳(念仏橋)
年代伝承(口承)
登場慧雲、托鉢で金を貯め若柳の橋を架けた荻野家出身の僧
出典八潮市史 民俗編――伝説・怪異

どんな伝承か

昔は、家から一人でも出家させれば三族まで仏のご利益があると言われた。信心深い家の荻野家は子の一人を出家させ、その子は京都の寺で修業を積んで慧雲と名乗った。学問に秀でた慧雲は、やがて学ぶだけの修業に疑問を抱き、村へ戻って人々のために尽くそうと考えた。そこで若柳の八條用水に架かる粗末な橋を直そうとしたが、村人は誰も取り合わない。慧雲は蔑まれながらも托鉢で金を貯め、人夫賃の足りない分は自ら工事にあたった。届いた石材の大きさに村人は驚き、褌一つで苦労する上人を見かねて手伝い始めた。橋が完成すると村人と祝って渡り初めをし、慧雲は礼を述べてそのまま京都へ去ったという。

原典より

このため、人々に軽蔑されながらも托鉢してお金をため、一人で橋を架けようとした。—— 八潮市史 民俗編――伝説・怪異(八潮市(編)・八潮市史) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

八潮市史 民俗編――伝説・怪異(八潮市(編)・八潮市史)

『八潮市史 民俗編――伝説・怪異』は、埼玉県の『八潮市史』民俗編から伝説の部分を収めたものである。市内の各地区で聞き取った稲荷火や狐の嫁取り提灯、狢・河童・蛇の話、徳川家康の鷹狩りにちなむ地名や塚の由来、地蔵や人魂、念仏橋の話を、話者の言葉づかいのまま地区名を添えて並べる。概説のあとに自然伝説・歴史伝説・信仰伝説の三つに分け、話の群ごとに『日本民俗事典』や『武蔵の伝説』などを引いた参考を付ける。

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