狢切りと呼ばれた鶴ヶ曽根の境
どんな伝承か
鶴ヶ曽根上で採られた聞き書き。狢は鶴二と二丁目の境のイリと呼ばれる場所に出たといい、そのため狢切りという地名まで付いたほどだった。実際にその付近で狢を捕まえた人もいたという。戦後の一時期には狸を飼う家もあり、近い幸房で狸を飼うのが流行したことがあって、鶴ヶ曽根でも五、六軒が飼い、一軒で二匹育てていた家もあったと語られる。もっとも狸と狢はよく似ていて、見分けがつかなかったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
八潮市史 民俗編――伝説・怪異(八潮市(編)・八潮市史)
『八潮市史 民俗編――伝説・怪異』は、八潮市が編んだ市史民俗編のうち、伝説を扱う部分である。埼玉県八潮市の各地区で聞き取った稲荷火や狐の嫁取り提灯、狢・河童・蛇の話、徳川家康の鷹狩りにちなむ地名の由来、地蔵や人魂、念仏橋の話を、話者の言葉づかいのまま地区名を添えて収める。概説のあとに自然伝説・歴史伝説・信仰伝説の三つに分けて並べ、話ごとに『日本民俗事典』や『武蔵の伝説』を引いた参考を付ける。