狐憑きと三峯神社の狼による狐落とし
どんな伝承か
昔は頭の良い人が急におかしくなると狐憑きと言われたが、語り手はそれを神経衰弱のことだろうとみている。狐憑きは昭和五十六年ごろまでいたという。狐が憑くと医者にかかっても治らず、油揚げを枕元に置いておびき出したり、冷たい水を浴びせたりした。それでも治らなければ埼玉県の三峯神社へ出向いて拝んでもらった。三峯の神は狼なので、狐を追い出してくれると信じられていたからである。
原典より
それでも治らない場合は、埼玉県の三峯神社に行き、拝んでもらう。—— 勝田の民俗――千葉県八千代市勝田(民俗調査報告 第8号・民俗調査報告) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
勝田の民俗――千葉県八千代市勝田(民俗調査報告 第8号・民俗調査報告)
『勝田の民俗――千葉県八千代市勝田』は、民俗調査報告の第8号として勝田の民俗を調べた報告書のうち、「VII 口承文芸」の部分である。昔話・伝説・世間話・なぞの四節に分け、狐女房と女化神社の由来が結びついた昔話、親が汲むと酒になる「子は清水」や佐倉惣五郎の伝説、狐やムジナに化かされた話、狐憑き、神隠し、カマイタチ、幽霊、力石などの世間話を、話者からの聞き書きで収める。多くの話に話者名と生年を添え、狐女房と「子は清水」には解説を付す。