偽の汽笛を鳴らすムジナ
どんな伝承か
鍵屋の主は船の曳き船をして、ここから運河まで行き来していた。あるとき、帰る時間になっても戻らないので家の者が心配していると、ボーボーと汽笛の音が鳴った。『ほら、父ちゃんが来たぞ、戸を開けろ』と言って開けてみても、何もいない。帰りは蒸気船の通運丸で戻ると聞いていたので、その汽笛だと思ったのである。あれはムジナのいたずらだったのだと語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
取手市史 民俗編2――将門伝説・怪異(取手市(編)・取手市史)
『取手市史 民俗編2――将門伝説・怪異』は、取手市が編んだ市史民俗編のうち、俗信の末尾と「伝説」の節を収めた部分である。市内各地区での聞き取り調査で集めた語りを話し言葉のまま書き起こし、一部は『取手町郷土史資料集』から抜粋して、将門と桔梗御前の伝説、地蔵・社寺・樹木の伝説、狐や化け猫、幽霊、タマセなどの話を収める。将門伝説を別格として先に置き、続いて市内各地の伝説、祟りのある田や山の話を並べる。