頭のないメソを盗むムジナ
どんな伝承か
桶屋の正が化かされたという話を聞いた後、語り手は祖父と二人で船を借り、水の出ていたときに、今の渡し場から長町の樋管のちょうど間のあたりでメソを釣っていた。するとグチャグチャと、長靴に水が入ったような音がした。祖父にも聞こえたという。家で食べる分は十分に釣ったので引き上げ、ボテザルを担いで渡し場道を帰ったが、家に着くと一匹も入っていない。翌朝行ってみると、渡し場の道に頭のないメソが食い散らかされて落ちていた。ムジナに違いないと語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
取手市史 民俗編2――将門伝説・怪異(取手市(編)・取手市史)
『取手市史 民俗編2――将門伝説・怪異』は、取手市が編んだ市史民俗編のうち、俗信の末尾と「伝説」の節を収めた部分である。市内各地区での聞き取り調査で集めた語りを話し言葉のまま書き起こし、一部は『取手町郷土史資料集』から抜粋して、将門と桔梗御前の伝説、地蔵・社寺・樹木の伝説、狐や化け猫、幽霊、タマセなどの話を収める。将門伝説を別格として先に置き、続いて市内各地の伝説、祟りのある田や山の話を並べる。