鏡餅と左義長で占う豊凶と子の性別
どんな伝承か
大治町では、身近なしるしで年の豊凶や生まれてくる子の性別を占った。正月三が日のうちに鏡餅にひびが入れば豊作、左義長の芯竹の火種を家に持ち帰って消えなければ縁起がよく、書き初めを左義長の火にくべて高く舞えば字が上達し、芯竹の倒れた方角で豊凶を見る。七宝町秋竹の藤島神社の境内で妊婦が目を閉じて木の葉を拾い、葉が下向きなら男、上向きなら女が生まれるといい、元日の最初の客や分娩月の朔日の来客が男か女かでも占った。熱田神宮の花の撓の作りものを見て作柄を占い、草履を投げて上を向けば天気がよくなるともいう。
原典より
藤島神社(七宝町秋竹)の境内の木の葉を妊婦が目をつむって拾い、下向きなら男児、上向きなら女児が生まれる(堀之内、西条、砂子、八ッ屋)。—— 大治町民俗誌 下――霊と神・怪異・俗信(大治町(編)・大治町民俗誌) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
大治町民俗誌 下――霊と神・怪異・俗信(大治町(編)・大治町民俗誌)
『大治町民俗誌 下――霊と神・怪異・俗信』は、名古屋に接する尾張の大治町の民俗誌の下巻から、信仰にかかわる節を収めたものである。辻の地蔵や秋葉・津島の小祠、荒神・井戸神などムラとイエの神、天王祭り・虫送り・雨乞いなどの祈願、キツネツキ・タヌキ・天狗の神隠し・火の玉・ナンドババアの怪異を、大字ごとの聞き書きで記す。第五節から第九節までで、予兆・禁忌・まじない・民間療法を挙げる俗信の節と、高度経済成長後の信仰の変化を述べる節で終わる。