殺された犬と同じ痣を持つ子
どんな伝承か
大正年間の、桐原での出来事として語られた話である。ある家で太郎という大きな犬を飼っていたが、その犬は村の若い衆からひどい仕打ちを受けて殺されてしまった。のちに犬を手にかけた当人が、自分の子に太郎という名を付けた。殺された犬の脇の下には痣があったが、生まれたその子にも同じように痣があった。むごいことをしたので、犬が生まれ変わって出てきたのだと言われたという。
原典より
ある時、村の若い衆に、えらいしうちを受けて殺された。—— 大間々町の民俗――伝説・怪異(群馬県民俗調査報告書 第19集・群馬県民俗調査報告書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
大間々町の民俗――伝説・怪異(群馬県民俗調査報告書 第19集・群馬県民俗調査報告書)
『大間々町の民俗――伝説・怪異』は、群馬県民俗調査報告書第十九集『大間々町の民俗』のうち、口頭伝承の部である。大間々町の神梅・桐原・塩原・小平などで聞き取った、赤堀道玄の娘や伊勢ころがし、腰掛石、念仏石などの伝説、スズメとツバメや猿婿、蛙と猿の餅競争などの昔話、狐の嫁入り・むじな・河童・人魂・山犬・あずきとぎの怪異を収める。伝説・昔話・怪異・命名・諺と方言の五つに分け、冒頭に上野勇の所見を置き、多くの条の末に採集地か話者の名を添える。