ウワダイの狼落とし穴
どんな伝承か
明治ごろまでは山間部に狼が棲み、放し飼いの馬を襲っては食い殺した。村人は何とか狼を退治しようと知恵をしぼり、萱立て場と呼ばれる矢大臣山のウワダイに大きな落とし穴を掘ることにした。掘った穴の周りには萱を立てて隠し、穴の上に木を組んで生きた馬を吊しておき、狼が生餌に飛びつくと穴へ落ちる仕掛けにした。こうして狼を誘い寄せ、何匹も獲ったという。落とし穴は土が崩れて埋まり、今ではただの平地になっている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
小野町史 民俗編――伝説(小野町(編)・小野町史)
『小野町史 民俗編――伝説』は、小野町が編んだ町史の民俗編から、第九章「ことばと伝承」の第一節「伝説」を収めたものである。田村郡小野庄にあたる町内の館主や城主の没落、坂上田村麻呂や八幡太郎、小野篁・小野小町にまつわる話、デンスケ坊の祟り、河童の恩返し、大蛇や名石・埋宝の話など五十四編を、大半は地元の人からの聞き書きで収める。村川友彦の「はじめに」と地域の特色の解説を置き、伝説を大字(旧村)ごとに並べ、語り手の名を添える。