三石三斗の米を供える道隆寺の大饗の市
どんな伝承か
多度津の道隆寺で営まれる大饗の市では、三石三斗三升三合もの米を炊き、本尊や大師堂に供えたうえで村の人々にも配る。供え物は円錐の形をしたおむすびで、その上のほうに藁で作った鉢巻きを巻きつける。昔、この米を炊いて寺へ運ぶ途中、古塚の前で車がひっくり返り、米をこぼしてしまったことがあったという。ふりうつし塚と呼ばれたその古塚は、いまでは開墾されて跡形もなくなっている。
原典より
大饗の市では、三石三斗三升三合の米を炊いて寺の本尊や大師堂に供え村の人たちにもくばる。—— 新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説(香川県(編)・新編香川叢書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説(香川県(編)・新編香川叢書)
『新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説』は、香川県の叢書の民俗篇のうち、第八編「口承文芸」を収めた部分である。香川県内の昔話と伝説を扱い、昭和初年からの採集の歩み、呼び名や発端・結末の句、桶屋やほうろく売り・遍路などの運び手、語り手の横顔を論じたうえで、綾上町などで聞いた未発表の昔話を話者名付きで掲げる。伝説の章は樹木・石と岩・水と池と渕・塚と穴・祠と堂・坂と山と峠と谷・動物の項目に分け、各話の末尾に伝承地の郡町名を添える。