昔話・二軒長者の婿(夢見小僧)
どんな伝承か
小正月の翌日、前の晩に見た初夢について小僧たちが話し合ったが、どうしても話さない小僧が一人いて、仲間はずれにされ、とうとう追い出されてしまった。旅に出た小僧は、病気になった長者の娘を、小さい時から持っていた「魔よけのつち」でたちまち治し、婿にと望まれる。川向こうの長者の娘の病も同じように治し、そちらからも頼まれて、両方の婿になった。両家を行き来するために川に黄金の橋をかけ、その渡りぞめのとき、初夢は「二軒長者の婿となり、黄金の橋をかごで渡る」というものだったと初めて明かしたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
新野民俗誌稿――長野県下伊那郡阿南町(口頭伝承)(湯田朝子(第十五章「口頭伝承」))
『新野民俗誌稿――長野県下伊那郡阿南町(口頭伝承)』は、阿南町新野の民俗誌稿のうち、湯田朝子がまとめた第十五章「口頭伝承」の報告である。昭和五十三年一月に新野の古老五人から採話した昔話・伝説・ことわざ・なぞを収め、昔話には日本昔話名彙・日本昔話集成の話型を注し、伝説は信仰的・歴史的・文芸的の三つに分けて話者の名と生年を添える。昔話の語り始めと語り納めの形式や語りの場の変化も記し、ことわざとなぞで結ぶ。