山鼬に食い尽くされた細尾の里
どんな伝承か
遠江風土記伝によると、大井川の谷の西岸、遠州上川根村千頭郷の寸股川の上流に、細尾というわずか二戸の里があった。深い山で昼も暗く、人を食う獣が住んでいて、俗に山鼬と呼んだ。細尾の住民はこの獣に食い尽くされて、今は人家がないという。柳田は、これも井川の山神のチンコロと同じものに負わせた濡れ衣だろうとみている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妖怪談義(柳田國男選集 五巻)(柳田國男・柳田國男・妖怪学・1956年(昭和31年))
『妖怪談義(柳田國男選集 五巻)』は、柳田國男が妖怪についての論考を集め、昭和三十一年に自序を付して編んだ論集である。妖怪と幽霊の別を説く総論「妖怪談義」に始まり、川童・小豆洗い・ザシキワラシ・山姥・山男・大太法師・一つ目小僧・天狗などを、各地の言い伝えと方言の呼び名から考える。巻末に全国の妖怪の名を短い説明つきで集めた「妖怪名彙」を置き、大藤時彦の解説を付している。