子生たわの山姥と三人の子
どんな伝承か
「遠江国風土記伝」という百年前の記録には、豊田郡久良幾山(奥山郷大井村字泉にある)の明光寺の山上に「子生たわ」と名づけた岩があり、天徳年間に山姥がこれに住んで、時に民家の紡績を助け、三人の子を生んだと記されている。長男は竜頭嶺の山主、次男は戸口村神之沢の山主、三男の常光房は山住奥院の山主となったといい、山住の常光神社は今も遠江地方の霊神としてあがめられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妖怪談義(柳田國男選集 五巻)(柳田國男・柳田國男・妖怪学・1956年(昭和31年))
『妖怪談義(柳田國男選集 五巻)』は、柳田國男が妖怪についての論考を集め、昭和三十一年に自序を付して編んだ論集である。妖怪と幽霊の別を説く総論「妖怪談義」に始まり、川童・小豆洗い・ザシキワラシ・山姥・山男・大太法師・一つ目小僧・天狗などを、各地の言い伝えと方言の呼び名から考える。巻末に全国の妖怪の名を短い説明つきで集めた「妖怪名彙」を置き、大藤時彦の解説を付している。