昇天する龍と手取川の洪水
どんな伝承か
千蛇ヶ池に封じられた大蛇は千年の年月を経て天に昇り龍神になるという。龍となって昇天する時には風を呼び雲を集めて大豪雨を降らせるため、白山を水源とする手取川はそのたびに大洪水となり、下流の水田や人々に大きな被害を及ぼす。白山の神は雪を降らせてこの昇天を封じているが、下流の人々が神仏をおろそかにすれば千蛇ヶ池の雪が鍋の蓋ほどに溶けて口が開き、池の大蛇が一斉に昇天して手取川が大洪水になるのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
河内村史 下巻(民俗編)――白山麓の伝説(河内村(編)・河内村史)
『河内村史 下巻(民俗編)――白山麓の伝説』は、白山麓の河内村の村史の民俗編から、民話・伝説と故事を記した節を収めたものである。白山の千蛇ヶ池や富士山との背くらべ、高ボウケの大蛇、猿仏の名号、おひなの荒、天狗、菊酒、池の金山の伝説など、村と周辺に伝わる話を、白山関係の古文書や郡誌を引きながら記す。第三節「民話 伝説」、第四節「故事 伝説」、第五節「伝説」に分け、話ごとに題を立てて由来や現地のようすを添えている。