猿婿入(雨乞いの猿)
どんな伝承か
昔ある村では夏に全く雨が降らず、田が干割れて困っていた。田の持ち主が誰か雨を降らせてくれぬものかと言うと、どこからともなく猿が現れ、娘を一人嫁にくれるなら雨を降らせてやろうと言う。半信半疑ながら村のためと約束すると、本当に大雨が降って田は水で一杯になった。上の二人の娘は嫌がったが、末娘が村人を助け親孝行になるならと承知し、たんすも長持もいらぬ、大きなハンドガメを一つ下さいと言った。嫁入りの日、猿はハンドガメを背負って喜び勇み、井手を飛び越えようとしたが重さで水に落ち、瓶に水が入ってとうとう溺れ死んだという。
原典より
猿は上がろうとするが、ハンドガメにどんどん水が入りとうとう溺れ死んでしまった。—— 河内町史 民俗編――昔話・伝説(河内町(編)・河内町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
河内町史 民俗編――昔話・伝説(河内町(編)・河内町史)
『河内町史 民俗編――昔話・伝説』は、河内町の町史の民俗編のうち、子守歌と昔話・伝説を収めた部分である。伝承者の名を添えた子守歌二編と、昔話と伝説の違いを述べた前置きに続き、継子譚・異類婚姻譚・和尚と小僧・愚か婿など全国に分布する型の昔話と、岩戸の観音、金峰山と飯田山、小野小町、弘法大師にまつわる土地の伝説を、第一話から第三十八話まで番号を振って並べる。多くの話には話型の名や類話の広がりを短く添える。