御船千鶴子の透視実験と露見したすり替え
どんな伝承か
熊本の御船千鶴子は、福来博士が透視や念写の能力者として挙げた四人のうちの一人で、念写はせず透視の力だけを持つとされた。彼女を直接試した実験は明治四十三年二月に始まって十一月に終わり、その間に今村、山川、福来の三人が実験を行った。山川博士の実験では、千鶴子が実験物をすり替えていたことが見つかった。講者は、学術的に価値があり純粋な透視と呼べるのは福来博士の五回のうち的中した三回だけで、それすら偶然の的中でないとは言い切れないとし、日本の透視と念写はまだ実在が証明されていないと結論している。
原典より
その間に今村、山川、福來三氏の實験があるが、山川博士の實驗の時は實驗物を千鶴子がすり替へたことが發見された。—— 心霊学講義(変態心理学講義録)(小熊虎之助(述)・日本変態心理学会・心霊学・変態心理学) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊学講義(変態心理学講義録)(小熊虎之助(述)・日本変態心理学会・心霊学・変態心理学)
『心霊学講義(変態心理学講義録)』は、文学士小熊虎之助が述べ、東京の日本変態心理学会が出した心霊学の講義録である。心霊研究の態度と詐術の例から説き起こし、こっくりさんなどの自働現象、精神感応、交霊、透視と未来の予知、心霊物理現象、騒ぐ幽霊を、英国の心霊現象研究会の調査例や講者が盛岡で確かめた事例を引きながら心理学の立場から論じる。終章で長尾夫人や三田光一の念写を検討し、巻末に内外の参考書解説を付す。