村を離れて分かった火防稲荷の守り
どんな伝承か
長沖新田で語り伝えられている稲荷の霊験。家に持ってきたお稲荷様は、この村を守ってくれる、火事にあわないようにという火防せの神だという。この村ではそれまで六十年のあいだ、ボヤ一つ、火事一つ起きたことがなかった。ところがそのお稲荷様を自分の家へ移したところ、二年もたたないうちに元の場所でボヤが出た。口でこそ言わないけれども、それだけ神というものは村を守っていてくれたのだと語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
竜ケ崎市史民俗調査報告書3(北文間・川原代地区)――伝説・怪異(龍ケ崎市(編)・竜ケ崎市史民俗調査報告書)
『竜ケ崎市史民俗調査報告書3(北文間・川原代地区)――伝説・怪異』は、竜ケ崎市史の民俗調査報告書のうち、北文間・川原代の両地区で聞いた伝説と世間話を収めた部分である。中沼の主のタニシや亀、ドウロクジンサマの大蛇、狐や狸に化かされた話、首切り田や底なし田、平将門の影武者、力持ちのジンシチなどを、明治・大正生まれの話者からの聞き書きで記す。話はムラごとに分け、話者の語りに準じて記して地区・性別・生年を添え、冒頭には話型名を付した昔話も含む。