狐に切腹させられた武士
どんな伝承か
御馬廻り役を務める朝岡兵蔵の二男源次が、親戚である莅戸九郎兵衛の庭で、昼寝をしていた狐の足を叩いた。その晩、玄関の戸を激しく叩く者があり、出てみると書面を渡され、殿の命によりこの場で切腹せよと告げられる。切腹を見届けに参ったとまで言われて、源次は本当に腹を切ってしまった。事切れた源次の周りには、狐の足跡がいくつも残されていたという。正徳三年の出来事と伝えられる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
米沢市史 民俗編――伝説(米沢市(編)・米沢市史)
『米沢市史 民俗編――伝説』は、米沢市が編んだ市史の民俗編から、第八章「口承文芸」第三節「伝説」を収めたものである。狐・河童・蛇にまつわる話、上杉家の家臣や弘法大師・源義経にちなむ話、沢・池・岩の由来、地蔵や不動尊の霊験、温泉の開湯譚、長者屋敷など、米沢とその周辺に伝わる伝説を一話ずつ短くまとめて載せる。全体を「鳥獣・草木」「人霊」「山・川・湖沼」「地蔵・社寺」「温泉・町・村」の五項に分け、遠山と田沢の七不思議も列挙する。