釜鳴の池の大蛇とおしどり
どんな伝承か
上郷にある釜鳴の池へ、獲物をさがして高畠の上和田の狩人がやってきた。池の面に波が立っているので鉄砲をかまえて待っていると、大蛇が大口をあけてこちらへ向かってくるので、思わず引金をひいた。とたんに百雷が落ちたような音が響き、稲妻に打たれたように体がしびれて気を失った。噂は村じゅうに広まり、池に近づく者はいなくなった。狩人は笑われるのを口惜しく思い、秋にこっそり池へ行くと、おしどりが二羽仲よく浮いている。撃って泳いで取りに行くが、鳥は羽ばたいて水に潜り、そのうち夕闇に包まれた。その狩人が戻ったとは誰も聞かないという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
米沢市史 民俗編――伝説(米沢市(編)・米沢市史・自治体史(民俗))
『米沢市史 民俗編』第八章口承文芸所収の伝説。山形県米沢市に伝わる鳥獣草木・山川湖沼・地蔵社寺の伝説を採録する。