夢告で開かれた松原寺の火防観音
どんな伝承か
番正町の松原寺の境内に観音が祀られている。上杉景勝の家臣に高梨源三郎満義という者があり、主命で小国へ巡察に行くことになった。その前夜、夢枕に観音が現れ、小国へ向かう途中、松林に立つ僧を連れ帰って寺を建てよと告げる。満義は手の子でその僧に出会い、僧もまったく同じ夢を見ていたという。こうして開かれたのが松原寺である。七月十七日が縁日で、寺の幟はどんな日照りの年でも湿っているといい、逆に幟が乾いている年は火災が多いとも言い伝えられている。米沢三十三観音の三十一番の札所である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
米沢市史 民俗編――伝説(米沢市(編)・米沢市史)
『米沢市史 民俗編――伝説』は、米沢市が編んだ市史の民俗編から、第八章「口承文芸」第三節「伝説」を収めたものである。狐・河童・蛇にまつわる話、上杉家の家臣や弘法大師・源義経にちなむ話、沢・池・岩の由来、地蔵や不動尊の霊験、温泉の開湯譚、長者屋敷など、米沢とその周辺に伝わる伝説を一話ずつ短くまとめて載せる。全体を「鳥獣・草木」「人霊」「山・川・湖沼」「地蔵・社寺」「温泉・町・村」の五項に分け、遠山と田沢の七不思議も列挙する。